普段からお世話になっている祖父や祖母に、感謝の気持ちを込めてお祝いするのが『敬老の日』です。感謝の言葉を口にするだけでも喜んでくれるとは思いますが、今年はおしゃれにプリザーブドフラワーを贈ってみてはいかがでしょうか。
プリザーブドフラワーとはどんなもの?
そもそもプリザーブドフラワーとはどのようなものでしょうか。詳しく解説していきましょう。
特殊加工された花材
プリザーブドフラワーは生花に特殊な加工が施されたお花のことです。ドライフラワーとは異なり、生花のような鮮やかな色合いや風合いを維持したまま、長期間楽しめます。
生花に染料を吸わせて着色するので、本来その花に存在しない色でも、好みの色に着色可能です。
グリセリンを使用することで花びらの柔らかい質感を保つことができるので、一目見ただけではプリザーブドフラワーだと気づかない人もいます。
語源や歴史
プリザーブドフラワーという名称の『プリザーブド』(preserved)とは、『保存された』という意味の英語です。
直訳すると『保存された花』という意味です。よい状態であれば生花のような美しさを保ったまま5〜10年ほど観賞することができます。
プリザーブドフラワーは、フランスのヴェルモント社によって1987年に生み出されました。1991年には『長寿命の切花製法』として世界特許認定を取得しています。
プリザーブドフラワーは花の愛好家たちの間に広がり、あっという間にヨーロッパ中で人気になりました。その後、日本でも話題となり、今では贈り物やインテリアとして定番になりつつあります。
特徴
プリザーブドフラワーは特殊な加工を施されているので、水やりをしなくても枯れることはありません。そのため非常に管理が楽で、面倒臭がりな人でも気軽にお花を楽しめます。
これまではお花をプレゼントしたくても、相手のお世話の負担を考えて、プレゼントをためらったこともあったかもしれません。
プリザーブドフラワーであれば、一般的な雑貨のような感覚で気軽に贈れます。プリザーブドフラワーが誕生したことによって、お花をプレゼントすることが、より手軽で身近になったといえるでしょう。
また、プリザーブドフラワーは『寿命が長い』という特徴を生かして、たくさんのフラワーアレンジメントに活用されています。
プリザーブドフラワーの用途例
プリザーブドフラワーはどのような用途で使われているのでしょうか。いくつか例を見てみましょう。
プレゼントとして
プリザーブドフラワーは誕生日プレゼントや、普段お世話になっている人への贈り物として人気です。
特に女性はお花が好きな人が多いので、ピンクなどの女性らしい色のお花をプレゼントすると喜ばれるでしょう。
プリザーブドフラワーは、生花では存在しない色のお花も作ることができるので、男性へのプレゼントとしても活躍します。たとえば、青く着色したバラであれば、可愛らしすぎる色が苦手な男性がもらっても嬉しいプレゼントになりますね。
普段から感謝の言葉を口にするのが苦手だったり、照れくさくて言えないことがあったりする人は、お花を通じて気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
言葉も添えたい場合は、メッセージカードを忍ばせておくのも素敵ですよ。
記念品として
結婚記念日や開業記念日などの記念品としても、プリザーブドフラワーはよく使われます。お花はお祝いの空間を優しく彩り、忘れられないものにしてくれます。
プリザーブドフラワーなら、花びらに「○○周年記念」などの文字を印刷することもできますから、記念品にぴったりです。
プリザーブドフラワーをデザインに取り入れたフォトフレームに記念の写真を入れて、思い出を美しく彩ることもできます。
プリザーブドフラワーはしばらく枯れないので、お花を見るたびにお祝いされたときのことを思い出して、その時のあたたかい感情を思い出すでしょう。
プリザーブドフラワーは管理が楽なので、もらったあとも部屋に飾るインテリアとして活用できます。
生花だとすぐに枯れてしまい、切ない気持ちになりますが、プリザーブドフラワーであれば何年間も美しいインテリアとして活躍してくれるでしょう。
お見舞いとして
プリザーブドフラワーはお見舞いの品としても最適です。病院は細菌や花粉を持ち込まないために、生花の持ち込みを禁止しているところがあります。
プリザーブドフラワーは加工の過程で花粉が取り除かれているため、完成したお花に花粉はありません。そのため、持ち込みが許されているケースがほとんどです。
入院生活は狭い部屋で心細い時間を過ごすことが多いので、部屋を彩るプリザーブドフラワーは非常に励みになるでしょう。
また、アレンジによってはフォトフレームを使っていたり、星座の守護石を使っていたりするので、しっかりと心を込めて選んだ気持ちが伝わりますね。
プリザーブドフラワーは害虫が発生したり匂いがしたりもしません。また水やりの必要もありませんから、相手の負担を心配することなく贈ることができます。
プリザーブドフラワーに使われる人気の花材
お花の種類によっては、プリザーブドフラワーに向いているものと向かないものがあります。ここでは、プリザーブドフラワーに使われる人気の花材を紹介していきましょう。
定番はバラやキク
『バラ』はプリザーブドフラワーの定番です。花びらが厚くて大きいことから、扱いやすいという特徴があります。
花の咲き方も『カップ咲き』や『平咲き』などのバリエーションに富んでおり、初心者から上級者まで幅広い層から人気のある花材です。
『キク』は国花としても認知されていますが、プリザーブドフラワーとしても供花などの用途や、和風のアレンジによく選ばれています。
スプレーマムやピンポンマムなどの洋菊が多く用いられていますが、和風アレンジの場合には糸菊や輪菊などの和菊も人気です。
カーネーションやアジサイ
『カーネーション』は、母の日に贈るお花として有名です。いくつかカラーバリエーションがありますが、なかでも淡いピンク色は、女性的な柔らかさを感じさせるため人気です。
ボリューム感のある華やかなものから小ぶりで可愛らしいものまで、さまざまな種類があります。幅広い使い方ができるプリザーブドフラワーの定番の花材の1つです。
『アジサイ』は、小さな花(ガク)が丸く集まっているようなものや、ブドウのような扇状になっているものもあります。
プリザーブドフラワーのアレンジメントでは、メインとなるお花とお花の間を埋めるために使うなど、小分けでも使用できる優れた花材です。
実や葉をアクセントに
お花以外にも『実もの』や『葉もの』は、プリザーブドフラワーのアレンジメントによく使われます。
ペッパーベリーやドングリなどの実は、プリザーブドフラワーのアレンジにボリューム感をだしたり、色のバランスをとる効果があり、さまざまな用途で使われます。
ファーンリーフやサンウィーバインなどの葉は、緑色のものだけでなくグレイアッシュなど豊富なカラーバリエーションに加工されています。
葉特有の質感がアレンジの可能性を広げてくれるため、重宝されているのです。
色の種類
プリザーブドフラワーの魅力は、なんといってもその色の種類の豊富さです。自然界にはないような色味に着色されたものや、2色に着色された『バイカラー』の花なども存在します。
豊富なカラーバリエーション
プリザーブドフラワーでよく使われている花材は、カラーバリエーションが豊富です。たとえば同じ赤でも、黄色がかった明るい赤やダークな赤など、様々なパターンがあります。
同じ赤系の花で揃えたアレンジメントでも、色味を変えることで美しいグラデーションを作ることも可能です。
また、プリザーブドフラワーで作られる『鮮やかな青』のバラは、生花にはない色の1つです。
プリザーブドフラワーのアレンジでは、花材の豊富なカラーバリエーションを使って、生花の配色とは一味違ったセンスのある作品を作りだすことができます。
お花が好きな人は、独学やプリザーブドフラワーアレンジメントの教室に通うなどして学んでみるのもよいでしょう。
自然界にないバイカラーも
プリザーブドフラワーは人工的に着色するので、花びらの色を1色にする必要はありません。2色の異なる色を付けた『バイカラー』も可能です。
内側と外側で色の濃さを変えるグラデーションのバイカラーや、ピンクとライトグリーンなど全く異なる2色を使ったものもあります。
主なアレンジ例
プリザーブドフラワーは、さまざまなアレンジが魅力です。ここでは、定番のアレンジ例を紹介していきます。
ブーケ
ブーケは結婚式や退院祝いなどで使われる、定番のアレンジメントです。たくさんの花がまとめられた鮮やかなブーケは、プレゼントされた瞬間のインパクトが非常に大きいでしょう。
ブーケには多くの種類があります。人気なのは、丸い形の『ラウンドブーケ』やバッグの形をした『バッグブーケ』などです。定番のアレンジだからこそ、プレゼントとして用意するときはこだわりたいですね。
ケーキ
まるで本物のケーキのようなデザインのプリザーブドフラワーアレンジもあります。遊び心あるプレゼントは女性の心をくすぐり、とても喜ばれるでしょう。
生花を使うとすぐに枯れてしまうので、その場限りのアレンジとなりますが、プリザーブドフラワーを使うことで、美味しそうな見た目を長く楽しめます。
ギフトセット
フラワーショップや通販サイトでは、プリザーブドフラワーと他の商品がセットになったギフトセットが用意されていることがあります。プレゼントに迷いがちな人でも、ギフトセットなら選びやすいでしょう。
お供え用のプリザーブドフラワーを飾れる桐箱のセットや、美味しいワインとプリザーブドフラワーのセットなど、その種類は豊富です。
自分では思いつかないようなアイデアが詰め込まれていることもあるので、センスのよいプレゼントができるでしょう。
敬老の日のプレゼントとして人気
プリザーブドフラワーは敬老の日のプレゼントとしても人気です。敬老の日に適したプリザーブドフラワーのギフトには、どのようなものがあるのでしょうか。
和風や長寿の縁起物を使ったアレンジ
敬老の日にぴったりな和菓子とセットになったプリザーブドフラワーや、和風のイラストが描かれたフラワーボックスなどのアレンジは、見ても食べても楽しめる贈り物です。
お年寄りの方でも気に入るような、盆栽テイストのものもあります。
また、長寿の象徴である亀をモチーフにした縁起物のプリザーブドフラワーアレンジもあります。和室にぴったりのインテリアとして活用できますね。
このような、ひと工夫あるプレゼントを子供や孫からもらったら、嬉しくて忘れられないプレゼントになるはずです。
定番のプレゼントアレンジ
バラはプリザーブドフラワーのアレンジでよく選ばれる花材の1つですが、敬老の日のプレゼントにもよく使われます。
おしゃれなパッケージに一輪のバラを入れただけのシンプルなものでも、素敵なプレゼントとして喜ばれるでしょう。
胡蝶蘭とバラのアレンジメントを、ドーム状のガラスケースに入れたデザインなら、落ち着いた印象を与えるため、お部屋の雰囲気の邪魔にならないアレンジです。
名入れやメッセージ付きアレンジ
プリザーブドフラワーのフォトフレームに、相手の名前やメッセージなどを印字するサービスがあります。アレンジメントと一緒にメッセージカードを付けてくれるサービスも一般的です。
プレゼントは物だけでも嬉しいですが、そこに文字や言葉が入ることで、より特別感が増します。
口頭で感謝を口にすることが恥ずかしい人は、日頃の感謝の気持ちをメッセージカードに込めてみましょう。きっと心から喜んでくれるはずです。
長寿のお祝いにも使ってみよう
プリザーブドフラワーは敬老の日のプレゼントとしても人気ですが、長寿のお祝いにもよく用いられます。
長寿のお祝いにはテーマカラーがあり、知っておくと贈りものをするときに役に立つかもしれません。
喜寿や百寿などのお祝い
喜寿(77歳)のお祝いには、紫色の品を贈るとよいといわれています。もちろん、必ず紫色のものというルールはないので、相手が喜んでくれる贈り物をするのが大切です。
プリザーブドフラワーは枯れないため、事前に用意したり、遠方の親族に贈ったりするのにも適しています。
また、百寿では100という数にちなみ、100本のバラでできたプリザーブドフラワーの花束を贈るのはいかかでしょうか。
日本は長寿の国とはいえ、100歳まで生きることはおめでたいことです。100本のバラで盛大に祝うのもよいかもしれませんね。
長寿祝いの種類と色
長寿祝いにはそれぞれ異なるテーマカラーがあります。
古希(70歳)・喜寿(77歳)は基本的に『紫色』の品を贈ります。
傘寿(80歳)・米寿(88歳) は基本的に『金茶色』もしくは『黄色』のものを贈ります。
白寿(99歳)・百寿(100歳)は基本的に『白色』です。百寿が『ももじゅ』と読めることから、ピンク色の品を贈ることもあります。
適した色を生花で探そうと思うと、花の種類が限られてしまいますが、プリザーブドフラワーなら好きな花の種類を自由に選べます。
もちろん「色を間違ってはいけない」と神経質になる必要はなく、相手に喜んでもらうことが第一です。純粋なお祝いの気持ちを込めて贈りましょう。
人気のプリザーブドフラワー
長寿のお祝いに贈るプリザーブドフラワーとして、どんなデザインが人気なのでしょうか。
たとえばシンプルに10輪のバラを花束にしたプリザーブドフラワーのアレンジは人気のデザインです。
色のリクエストも可能なので、長寿のお祝いにおけるテーマカラーを含んだ花束にしてみるのもよいでしょう。違う色のバラを数本ずつ組み合わせて、オリジナルのアレンジにするのもおすすめです。
プリザーブドフラワーにホコリが溜まることを避けたい場合は、透明なドームの中に入った『ドームタイプ』や、フレームの中にプリザーブドフラワーを敷き詰めた『フレームタイプ』などがおすすめです。
まとめ
敬老の日は、自分を産み育ててくれた両親や可愛がってくれた祖父母に、日頃なかなか言えない感謝の気持ちを伝えるよい機会です。
何を渡せばよいか迷う人も多いですが、プリザーブドフラワーはお手入れも楽で老若男女を問わず喜ばれるので、贈り物として最適でしょう。
メッセージカードを添えて、長寿のテーマカラーに沿ったアレンジにすることで、より気持ちの伝わるプレゼントにすることができます。
お年寄りの方は、自分の子供や孫から感謝を伝えられると心から嬉しく思うものです。普段あまり会話をしない間柄であっても、プリザーブドフラワーをきっかけに、たくさん話してみてはいかがでしょうか。