空気を綺麗にしてくれたり、インテリアとして部屋をオシャレに演出してくれる観葉植物。だんだん大きくなってきたら、大きめの鉢に植え替えをしてあげましょう。植え替えで大切なポイントが土選びです。数多く売られている観葉植物の土ですが、観葉植物の土のキホンや選ぶポイント、土以外でも育てられる方法についてご紹介します。
観葉植物の育て方 大きくなったら植え替えをしよう
お手入れが少ない観葉植物ですが、生育環境のリセットをするために定期的な植え替が必要です。
新しい土に変えたり、生長に合わせてより大きなサイズの鉢に変えましょう。それでは観葉植物の植え替えポイントについてご紹介します。
観葉植物の植え替えのタイミングは?
まずは植え替えのタイミングを見極めましょう。次の状態に1つでも当てはまれば植え替えのタイミングです。
- 株が大きく生長していて鉢とのバランスが悪い
- 観葉植物を購入して2年以上経っている
- 鉢の底から根がたくさん張り出している
- 水を与えたときに土に染み込まない
観葉植物の多くは2年ほどで、鉢の大きさ以上に生長します。鉢とのバランスが悪くなると、根詰まりを起こし鉢底から根が出てきてしまうのです。鉢の中の空気が少なくなり、根が呼吸できなくなってしまうこともあります。
また、植え替えをしないままでいると、土の微生物や養分が減ってしまうので生長が顕著に悪くなってしまいます。定期的に観葉植物を観察して、必要であれば植え替えをしてあげましょう。
植え替えに適した時期は?
植え替えをする上で一番大切なことは時期です。植え替えをするなら生育期である5月中旬から9月中旬までとされています。
適した時期でないときに植え替えしてしまうと、株が弱って枯れてしまうことがあるからです。もし植え替えをしようと考えたときに時期が過ぎてしまっていれば、次の植え替え時期を待つようにしてくださいね。
植え替えの鉢を選ぶ基準
植え替えをする際の鉢を選ぶときの基準は何でしょうか?形や素材に目が行きがちですが、植え替えのときに大切なのは鉢のサイズです。
株が生長し、大きくなっているので一回り大きい鉢を選びます。目安は元の鉢よりも直径が3cmほど大きいものです。鉢のサイズ表記は3cm毎に大きくなっているので、今の鉢のサイズよりも1号大きいものがおすすめです。鉢選びの注意点は、株の大きさに合わない大きな鉢は選ばないことです。
大きければ良いというものではありません。株の大きさに合っていない鉢に植え替えると、株に対して土の量が多くなり、根腐れの原因になってしまいます。必ず株の大きさに合った鉢を選ぶようにしてくださいね。
観葉植物の育て方で大切な「土」を知ろう
観葉植物を育てるときには土も大切な要素の1つです。観葉植物は、鉢の中の水分と養分のみで育つので土の役割はとても重要です。最適な土を使ってあげることで、元気にすくすく育っていきます。
室内がキホンの観葉植物は排水性が大切
観葉植物は根から水分と養分を吸収して生長するため、まずは根がしっかり育つことが大切です。水はけの良い環境を保つことが根の生長には欠かせません。
野菜用の畑の土や花壇の土なども販売されていますが、粒子間のすき間が詰まりやすく、保水性が高くなることから、水はけが悪くなってしまうので観葉植物には向いていません。観葉植物用の土は粒子間にすき間があり、水分や養分を蓄えることができるようになっています。
観葉植物の土を選ぶポイント
観葉植物に最適な土は、基本的には衛生的かつ高い排水性をもっている土です。ただし観葉植物といっても種類はさまざまです。本来であれば、自分でいくつかの土をブレンドして、育てている観葉植物に合った最適な土を作ることがベストです。
ただし、手作りする場合は時間も費用もかかってしまうので初心者にはあまりおすすめしません。観葉植物の土を購入するときは、「観葉植物用の土」を選ぶようにしてください。園芸店やホームセンターなどで市販されていますよ。
観葉植物の育て方 オススメの土
市販されている観葉植物用の土のなかでもとくにオススメの土をご紹介します。
花ごころ「多肉植物 ミニ観葉の土」
小さい観葉植物にオススメなのがこちらです。排水性が高く、あまり水やりを必要としない観葉植物にぴったりの土です。主な原料は、赤玉土、鹿沼土、パーライト、ゼオライトです。根に心配のない元肥入りで、そのまま使うことができます。元肥とは、植物を植え付ける前にあらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料のことです。ゼオライトは水の腐敗を防ぐ役割があります。
アイリスオーヤマ「培養土 ゴールデン粒状培養土 観葉植物用」
とくに人気の高い培養土で、ドラセナ、ポトス、アイビー、ベンジャミン、ホンカポックなどの観葉植物に適しています。主な原料は、粒状培養土、軽石、バーミキュライト、パーライト、緩効性肥料です。軽石を配合しているので通気性が高く、保水性、排水性にも優れ、根が育ちやすい環境を保ってくれます。また雑草の種や害虫の混入を防止するため、加熱処理が施されているところも特長です。
100均の土は大丈夫?虫がわきやすいって本当?
最近では100円均一でも室内園芸用の土が売られています。なかには100円均一の土は虫がわきやすいというレビューもあるそうですが、一概にそうとは言えません。虫が発生する原因のほとんどが外部からの侵入であるからです。
また、100円均一の土は安いから虫が発生するということでもありません。土の値段が虫が発生しない判断基準にはならないので心配は無用です。100円均一に限らず、土を買うときには原料や加熱処理が施されているかどうかを確認してから買うようにしてくださいね。
観葉植物の土以外の育て方「ハイドロカルチャー」で元気に
観葉植物の土についてご紹介してきましたが、室内で土を使用することに抵抗がある人もいるのではないでしょうか?そんな人にオススメなのが、ハイドロカルチャーという育て方です。
ハイドロカルチャーとは?
ハイドロカルチャーとは、土を使わずに水で育てる水耕栽培のことを指します。ハイドロカルチャーでは、人工的に作られたハイドロボールという用土を使います。ハイドロボールは粘土を高温で焼いて発泡させたボール状の石です。石には細かい穴がたくさんあり、その中に取り込まれた空気が酸素の供給源となって、植物を育てることができるようになっています。
ハイドロカルチャーのメリットとデメリット
ハイドロカルチャーにはたくさんのメリットがありますが、デメリットもあります。ハイドロカルチャーの特性を知って、上手に観葉植物を育てましょう。
■ハイドロカルチャーのメリット
- 清潔感がある ハイドロボールは無菌なので清潔な状態を保つことができ、虫の発生を防ぐことができます。 また、無臭のため土の匂いも気になりません。
- 水の管理が簡単 水が十分足りているのか、あるいは不足しているのかが目で見てわかりやすいのがハイドロカルチャーです。 土に比べて水やりの頻度も少なくてOKです。
- 再利用ができるので経済的 ハイドロボールは洗って何回も繰り返し使うことができます。
■ハイドロカルチャーのデメリット
- 大きく育ちにくい 土で育てるのと比べて植物の生長が緩やかになるため、大きく育てることができません。 大きいサイズの観葉植物を育てたい人にはあまり向いていないかもしれません。
- 根腐れに注意が必要 ハイドロボールには微生物が存在しないため、根から排出された老廃物を分解することができません。老廃物が容器の中に蓄積されてしまい、根腐れを起こしやすい状態になります。根腐れ防止剤を使用し、過剰な水やりはしないように注意が必要です。
ハイドロカルチャーの植え替え方法
ハイドロボールへの植え替え方法をご紹介します。
■材料
- ハイドロボール
- 根腐れ防止剤
- 底穴がない容器(ガラス、空き瓶、缶などでOK)
- 観葉植物(ポトスやデコラゴム・テーブルヤシ・ガジュマル・モンステラなどが向いています)
- ピンセットなど
■植え替え方法
- 植物の土を洗い落とす 根の周りをほぐしながら、余分な土をふるい落とします。根を傷めないように注意してください。 次に、ボールや容器に水を入れ、根に残った土をやさしく洗い落とします。
- 根腐れ防止剤を入れる 容器の底に、底が隠れるくらいの根腐れ防止剤を敷き詰めます。根腐れ防止剤はしっかり入れてください。
- ハイドロボールを入れる ハイドロボールは事前に軽く水洗いしておくと水の濁りが少なくなります。 まずは容器の4分の1ほどのハイドロボールを入れ、植物の位置などを確認したら少しずつハイドロボールを追加していきます。 ハイドロボールが根の隙間まで入るように、ピンセットなどで軽くつつきながら整えたら完成です!
まとめ
観葉植物にとって土はとても重要な役割を担っています。それぞれの観葉植物に合った土を知って、観葉植物を大切に、元気に育てましょう。定期的な植え替えも忘れずにしてあげてくださいね。